一般的に、自宅とは別に所有している別の家を「セカンドハウス」と呼びます。
セカンドハウスには、税金に関する特典を受けることができる利点があります。
この記事では、税制面のメリットに加えて、セカンドハウスの購入におけるローンに関する注意点についても詳しく説明します。
もしセカンドハウスの購入を検討している方がいらっしゃれば、是非参考にしてください。
セカンドハウスとは?
別荘とセカンドハウスは、日本でよく使われる言葉ですが、微妙な違いがあります。
別荘は、都会から離れた自然豊かな地域に建てられる休暇用の住宅を指します。
一方、セカンドハウスは、主に国外に所有される、第二の住宅のことを指します。
セカンドハウスとして扱われるためには、いくつかの基準を満たす必要があります。
別荘とセカンドハウスの違い
別荘とセカンドハウスは、一見同じように扱われることもありますが、実際には法律上の扱いがまったく異なります。
まず、別荘は「休養のため」に利用される物件を指し、所有者にとっては生活に必要不可欠ではなく、むしろ贅沢品として扱われます。
一方で、セカンドハウスは「生活のため」に利用される物件であり、それがなければ生活を成り立たせることが難しい場合に使われます。
このような違いが法律上の扱いに反映されます。
しかし、物件の立地や広さ、設備などによって、別荘とセカンドハウスを厳密に区別することはありません。
たとえ別荘がリゾート地に立地していたとしても、それを生活や仕事のために利用する場合には、法律上はセカンドハウスとして扱われます。
では、どのようにすれば法律上でセカンドハウスとして扱ってもらえるのでしょうか。
そのためには、まず物件の利用目的や所有者の生活のあり方を明確に示すことが重要です。
セカンドハウスとしての利用を主な目的としていることや、その物件が所有者の生活に欠かせない存在であることを示すため、例えば住民票の登録や居住年数の証明などが役立つ場合があります。
さらに、物件の利用状況に応じた税金の申告や届出も行う必要があります。
セカンドハウスとして利用されている場合は、住民税や固定資産税などを正しく申告し、納付することが求められます。
したがって、セカンドハウスとして法律上認められるためには、物件の利用目的や所有者の生活のあり方を明確に示し、適切な税金の申告や届出を行う必要があります。
セカンドハウスの基準
セカンドハウスとは、自宅から職場までの距離が遠いために、職場に近くに物件を購入することで利便性を向上させる必要がある場合、または定期的に利用する必要がある場合に適用されるものです。
例えば、通勤時間が片道2時間を超えるような遠い地域に住んでいる場合、職場の近くに物件を購入することは生活の必需品とみなされるため、セカンドハウスとして認められる可能性が高くなります。
さらに、毎日利用する必要はないけれども、数日に一度ペースで在宅する必要がある場合(例えば、残業や夜勤の都合で週に一度宿泊する場合)でも、セカンドハウスとして認められることがあります。
そして、仕事とは無関係でも、毎週末など定期的に必ず在宅する場合、その物件はその人が生活する上で欠かせない住宅と見なされ、セカンドハウスとして認定されます。
また、家庭の都合で自宅以外の拠点を持ちたい場合など、その他のケースでもセカンドハウスとして扱われることがあります。
大まかな目安としては、月に一度以上利用される物件であれば、申請が通る可能性は十分に考えられます。
セカンドハウスが受けられる税制面での優遇
セカンドハウスとは、主に別荘やバケーションホームとして利用される複数の住居のことを指します。
このような物件を所有すると、税金に関するいくつかの特典があります。
もしも経済的な理由で踏み切れないと思っている方は、この特典制度についても理解しておくと良いでしょう。
固定資産税の減額
所有している不動産には、必ず支払わなければならない税金である固定資産税があります。
この税金は、不動産の評価額(課税標準)に対して1.4%の金額が課税されます。
たとえば、首都圏で3LDKの家を購入した場合、固定資産税の目安は年間約10万円です。
そのため、同じくらいの額を2つの不動産で支払うと、税金の負担は大きくなります。
しかし、セカンドハウスとして認定された不動産の場合、課税標準に対する税率が面積が200平方メートル未満の物件では1/6に、それ以上の物件では1/3にまで減額されて計算されます。
都市計画税の減額
都市部に住宅を買うと、都市計画税がかかることがあります。
ただし、セカンドハウスの場合は、税金が減額されます。
固定資産税と同じように、住宅の広さによって減税率が変わります。
200平方メートル以下の住宅は、課税額の1/3になります。
一方、200平方メートル以上の住宅は、2/3になります。
通常の税率は最大0.3%ですが、固定資産税よりも安くなっています。
したがって、この減税措置を受けることで、さらに税金の負担を軽減することができます。
不動産取得税の減額
セカンドハウスを購入する際には、不動産取得税という税金が課せられます。
この税金の額は、物件の固定資産税評価額の4%となりますが、セカンドハウスの場合は特例が適用され、税金が減額されます。
具体的な減額方法は、建物と土地で異なります。
建物の場合は、固定資産税評価額から特定の控除額を差し引いた金額の3%が課税されます。
一方、土地の場合は、土地の固定資産税評価額の半額に3%を乗じたものから控除額を差し引いた金額が課税されます。
これらの減額措置により、セカンドハウスの維持費用が軽減され、毎月の負担が少なくなることが確かです。
なお、2021年3月末までは土地および住宅の税率は3%となり、宅地の課税標準額も固定資産税評価額の半額となる特例が適用されます。
セカンドハウスローンを利用する際の注意点
セカンドハウスに興味を持っている人の中には、ローンを組んで購入を検討している方も多いのではないでしょうか。
ただし、一般的な住宅ローンは、常に自分自身が住むための家の購入に利用されることを前提としているため、セカンドハウスの購入には使えません。
しかし、全くローンを使うことができないわけではありません。
金融機関によっては、セカンドハウス専用のローンを提供しているところもあります。
これを「セカンドハウスローン」と呼びます。
ただし、セカンドハウスローンを利用する際には注意が必要です。
住宅ローンと比べて審査が厳しい
一般的な住宅とは異なり、セカンドハウスは必需品ではなく、余暇や休暇を楽しむためのものです。
通常の住宅ローンと併用すると、月々の返済額がかなり高額になります。
そのため、金融機関はセカンドハウスローンの融資を慎重に判断します。
セカンドハウスローンの審査は通常の住宅ローンよりも厳しい傾向があり、住宅ローンを通過してもセカンドハウスローンが通過しないことが多々あります。
セカンドハウスローンを組むためには、一定の年収が必要であり、かつ以前にローンの返済が滞ったことがないという条件を満たす必要があります。
住宅ローンに比べて金利が高い
異なる金融機関によって設定される金利には、住宅ローンとセカンドハウスローンでは一般的に差があります。
セカンドハウスローンの金利は一般的に2%台後半から設定されることが多く、その利率は住宅ローンの2~3倍になることがあります。
実際には、4%近い金利が設定されているセカンドハウスローンもありますので、完済時に支払う利息を含めた返済額がいくらになるのかを事前に比較検討してみることをおすすめします。
住宅ローン控除は受けられない
異なる金融機関によって設定される金利には、住宅ローンとセカンドハウスローンでは一般的に差があります。
セカンドハウスローンの金利は一般的に2%台後半から設定されることが多く、その利率は住宅ローンの2~3倍になることがあります。
実際には、4%近い金利が設定されているセカンドハウスローンもありますので、完済時に支払う利息を含めた返済額がいくらになるのかを事前に比較検討してみることをおすすめします。
まとめ
セカンドハウスとは、おおよそ月に一度以上の頻度で利用するための物件を指します。
このセカンドハウスとして認められると、いくつかの税金を削減することができます。
さらに、セカンドハウスローンを利用することも可能です。
ですので、セカンドハウスの購入を考えている方は、注意点にも気を付けながら検討してみてください。