最近では、インターネット上で口座を開設したり、住宅ローンの契約を結んだりすることが可能なネット銀行が増えており、多くの人々に利用されています。
実際、店舗に行かなくても手続きが完了できるので、利用者が増えているのではないでしょうか。
しかし、インターネット銀行で住宅ローンを組む場合、安心して利用できるのか不安を感じる方もいるかもしれません。
この記事では、インターネット銀行で住宅ローンを組む際のデメリットや、メガバンクとの違いや共通点について詳しく説明します。
メリットやデメリットを理解して、自分に最適な金融機関を選ぶための参考にしてください。
インターネット銀行の住宅ローンの特徴
インターネット銀行は、インターネットを介して金融商品やサービスを提供する銀行のことを指します。
これらの銀行は、通常、店舗や窓口を持たず、すべての取引や手続きがオンライン上で行われます。
代表的なインターネット銀行としては、例えば「イオン銀行」や「auじぶん銀行」が挙げられます。
インターネット銀行の住宅ローンも、これらのインターネット銀行が提供しています。
住宅ローンは、大手銀行などと比較して金利が低く設定されており、さらに手続きもウェブサイト上で完結させることができるのが特徴です。
つまり、自宅のパソコンやスマートフォンから手軽に住宅ローンを申し込んだり管理したりすることが可能となっています。
インターネット銀行とメガバンクの比較
インターネット銀行とメガバンクを比較するために、共通点と相違点を詳しく見て行きましょう。
まず、共通点としては、諸費用の合計額が変わらないことが挙げられます。
手数料や保証料など、各銀行の費用を比較すると、借入金額に対する手数料が2.2%で、保証料が無料という点が多いです。
もちろん、金融機関によっては保証料が必要な場合もあるので、契約前にしっかり確認しておきましょう。
次に、違いとして挙げられるのは、住宅ローンにおける「団体信用生命保険(以下、団信)」の保障内容です。
団信は、住宅ローン契約者が亡くなったり高度障害になったりした場合に、ローン残高の返済が免除される保険です。
通常、住宅ローンを契約する際には、団信への加入が求められます。
インターネット銀行では、金利を上乗せしないで利用できる保障が豊富であるという特徴があります。
これは、メガバンクとの主な違いの一つと言えます。
インターネット銀行のメリット
インターネット銀行を利用して住宅ローンを借りるという方法にはさまざまなメリットがあります。
金利が低い
インターネット銀行が提供する住宅ローンは、通常の大手銀行や地方銀行と比較して金利が低めに設定されています。
これは、インターネット銀行が実際の店舗を持たず、全てオンラインで運営されているためです。
そのため、店舗運営にかかるコストや人件費が削減され、その分を金利に反映していると考えられます。
そして金利が低いということは、総返済額も少なく抑えられるため、借り手にとって経済的な負担が軽減されるというメリットがあります。
また、インターネット銀行とメガバンクを比較すると、5社のうち3社ずつを選んで新規住宅ローンの変動金利を調査してみました。
Web上で契約できる
インターネット銀行を利用する際のメリットの一つは、ウェブ上で契約手続きができることです。
審査や契約に必要な書類はデータをアップロードして提出します。
一般的な銀行の営業時間内に銀行に行くことが難しい平日の忙しい方にとって、非常に便利なサービスと言えるでしょう。
さらに、複数のインターネット銀行で事前審査を申し込み、より有利な条件のローン契約をすることも可能です。
ただし、融資が実行されるまでのプロセスは全てをウェブ上で完結するわけではありません。
例えば、抵当権を設定するための登記手続きには、対面での面談が必要となります。
抵当権とは、もしも契約者が住宅ローンの返済を滞らせた場合、金融機関が住宅を競売にかけて残債を回収する権利のことです。
インターネット銀行は指定した司法書士がこの登記手続きを行うため、契約時には司法書士と面談を行うことが一般的です。
事前審査の結果が出るまで早い
インターネット銀行の住宅ローンは、一般的には事前審査の返答がスピーディーな特徴を持っています。
例えば、イオン銀行やauじぶん銀行などでは、最短で当日に返答が出ることがあります。
中にはより素早い対応が可能な銀行もあり、たとえばソニー銀行ではなんと最短60分で返答がもらえるとのことです。
これに対して、一方で三菱UFJ銀行のようなメガバンクでは、最速でも翌日以降になることが一般的です。
そのため、インターネット銀行を利用すると早い段階で審査結果がわかるため、不安な期間を過ごす時間が短くて済みます。
このように、迅速な審査結果が得られることは、精神的にも安心感をもたらすでしょう。
インターネット銀行のデメリット
次に、インターネット銀行のデメリットを見ていきましょう。
審査が厳しい傾向
インターネット銀行を利用して住宅ローンを組む場合のデメリットとして、審査が厳しい傾向が挙げられます。
これは、通常の銀行とは異なり、ネット銀行の住宅ローンではインターネット上で申し込み手続きが行われるため、返済能力や信用情報は主に提出された書類のみで判断されることが挙げられます。
一般的な銀行の場合、融資担当者が顧客と直接会って面談を行い、個々の状況やニーズを詳細に把握したうえで審査が行われることがありますが、インターネット銀行ではそういった対面の機会がないため、審査がより厳格に行われる傾向があります。
また、インターネット銀行は一般的に保証会社を利用せずに融資を行うため、貸し倒れが発生した際にはそのリスクをネット銀行自体が負う必要があるため、彼らはより慎重な審査を行うことが多いのです。
対面相談できるところが限定される
オンライン取引が主流となっている現代の日本において、インターネット銀行では対面での窓口相談が制限されていることが一般的です。
たとえば、auじぶん銀行の場合、インターネットを通じたオンライン相談が可能ですが、基本的には住宅ローンに特化したコールセンターが主要な窓口となっています。
そうした状況下で、疑問や不安が生じた場合に直接対面で尋ねることができないという点は、利用者にとってデメリットと言えるでしょう。
また、必要書類に不備があった場合でも、銀行側から指摘があるまでそのことに気づくことができないため、手続きに追加の手間がかかる可能性もあります。
つなぎ融資に対応していないところもある
インターネット銀行の住宅ローンを利用する際、中にはつなぎ融資に対応していないところがありますので、その点には注意が必要です。
つなぎ融資とは、新築の住宅を建てる際に、土地の購入代金や建設工事の途中で必要な資金を一時的に融資してもらう制度です。
十分な自己資金がある場合には問題ありませんが、一般的には建設費用の約30%が一括で支払われることが多く、それが大きな負担となることがあります。
まとめ
この文章では、インターネットを利用した銀行から住宅ローンを申し込む際の短所に焦点を当てながら、その利点や従来の大手銀行との違いについて説明しました。
例えば、対面での相談機会が限られているという欠点や、厳しい審査などが挙げられますが、一方でウェブ上で契約を結ぶことができたり、金利が低いといったメリットも存在します。
言い換えれば、ネット銀行によるローンがいいか悪いかという単純な判断ではなく、自分に最適な住宅ローンを選ぶことが肝要です。
どの要素を重視するかをよく考えて検討しましょう。