住宅 ローン 審査 基準|審査の流れ・チェック項目を解説!

不動産

家を買う際、多くの人が住宅ローンを使いますが、時には「審査に通らなかった」というケースも起こります。

住宅ローンを使おうと考えている人は、審査に通るためのポイントを事前に知っておくと、結果的に時間と手間を省けます。

今回は、家の購入を考えている人に、住宅ローンの審査内容、審査に落ちる理由、そして通るためのポイントについて詳しく説明します。

住宅ローンの審査は2段階

住宅ローンを組むためには、まず審査を通過する必要があります。

住宅ローンの審査は、通常、2つの段階で行われます。

まず、最初に「事前審査(仮審査)」があり、次に「本審査」が行われます。

以下に、一般的なスケジュールをご説明します。

1. まずは事前申し込みを行います。

これは、住宅ローンを申し込む意思を示すための手続きです。

2. 次に、事前審査が行われます。

この審査では、申し込み方法や審査機関、見られるポイントなどに違いがあります。

具体的には、収入や雇用状況、他の借入金などが審査されます。

3. 正式申し込みを行います。

この段階では、住宅ローンの申し込み手続きが本格化します。

必要な書類や情報の提供が求められます。

4. 次に本審査が行われます。

この審査では、より詳細な情報や書類が必要とされます。

例えば、資産状況や信用情報などが審査されます。

5. 最後に、契約が行われます。

審査に合格し、ローンを受けることができる場合、具体的な契約が締結されます。

これにより、住宅ローンを使って家の購入が実現されます。

以上が一般的な住宅ローンの審査の流れです。

審査は個々の申込者の状況に応じて異なることもありますが、このような手続きや判断基準が一般的に適用されます。

事前審査

多くの場合、金融機関は公式サイトを通じて申し込むことができます。

申し込まれた情報は、「事前審査」、「仮審査」、「簡易審査」といったように様々な呼び方があるかもしれませんが、本質的には「本審査の前段階の調査」となります。

金融機関は、申し込み者が提供した情報、例えば年収などに基づいて、現時点での返済能力を確認します。

手続きが順調に進めば、通常は申し込みの翌日から1週間程度で結果のメール連絡を受け取ることが可能です。

本申込

住宅ローンの本審査は、事前審査の通過後に行われるものです。

この本審査では、複数の会社が審査を担当しています。

具体的には、金融機関や住宅ローン保証会社、団体信用生命保険会社などです。

本審査では、年収だけでなく、購入を考えている物件の資産価値や申込者の健康状態なども考慮されます。

これらの情報は、借入の審査において重要なファクターとなります。

審査結果は、通常、申し込み後2週間から1ヶ月ほどで通知されます。

その際には、借入可能な金額や金利、返済シミュレーションなどの詳細も一緒に提供されます。

これにより、申し込み者は自分にとって適切な条件での住宅ローンを検討することができます。

住宅ローン審査に必要なもの

住宅ローンを申請する際には、最初の審査で源泉徴収票の提出が求められることがありますが、一般的には自己申告だけで進めることが多いです。

しかし、本審査では、申請者が会社員か自営業者かによって、いくつかの書類を提出する必要があります。

以下は、住宅ローンの本審査で必要な書類の一部です。

会社員の場合は、以下の公的書類や資料が必要です。

・源泉徴収票や給与明細書など、収入を証明する書類

・副業で年間20万円以上の所得がある場合は、確定申告書Bの控え

・所得証明書類の直近3年分、具体的には源泉徴収票や確定申告書Bの控えなど

・住民税決定通知書や課税証明書など、納税証明書類 そして、物件の情報についてもいくつかの書類が必要となります。

・売買契約書や重要事項説明書、登記事項証明書、建築確認通知書など、購入予定の家に関する書類

・土地公図や物件販売チラシ、見積書、間取り図など、物件の詳細情報を示す書類

なお、本人確認書類も必要です。

以下のいずれか1つを提出してください。

・運転免許証

・パスポート

・マイナンバーカードなど

購入予定の家に関する書類については、基本的には不動産会社にお願いすれば準備してくれることが多いです。

住宅ローン審査ではどんなことがチェックされる?

住宅ローンの本審査では、借り手の信用情報や収入状況などがより詳しく調査されます。

具体的には、以下の項目がチェックされます。

年収

年収は、住宅ローン審査で落ちる理由の中で最も重要視される要素とされています。

一般的には、年収が高ければ、高額な借入額のローン審査でも通りやすいと思われがちですが、実際にはそうではありません。

ここで言われる年収とは、単純に収入の額ではなく、「借入額に対する返済負担率を考慮した返済能力」を指します。

つまり、借入希望額がそこまで大きくなければ、年収が高くなくても審査に通る可能性はあるということです。

勤続年数

金融機関が最も注目する点は、契約者がローンを安定的に返済できるかどうかです。

金融機関にとっては、現在の仕事をしていてもすぐに辞めてしまう可能性がある場合、ローンの返済が困難になってしまうおそれが高まります。

そのため、住宅ローンの審査時には、通常「2年以上の勤続年数」という基準が設定されています。

ただし、中には「勤続年数を重要な条件としない」という特徴を持つ金融機関も存在します。

このような金融機関では、勤続年数が短くてもローン契約が可能となる場合があります。

カードローンなど債務の状況や返済履歴

クレジットカードを利用する際に、返済能力を見るために「個人信用情報」が注目される項目の一つです。

この情報は、クレジットカードの支払いを滞納した履歴などをチェックします。

また、車や楽器などのローンを返済中であったり、多くのクレジットカードを所有している場合も、「借金あり」と見なされてしまい、審査には不利になる可能性が高くなります。

さらに、口座の残高不足などでクレジットカードの引き落としに失敗した経験が過去5年以内に1回以上ある場合は、注意が必要です。

支払い延滞が3ヶ月以上続くと、「異動」という印が個人信用情報に記載され、住宅ローンの事前審査を通過することはできなくなります。

また、数日の遅れでも「滞納」という記録がつく場合もあります。

借入時・完済時年齢

住宅ローンの返済期間は通常20年や35年のように長期間にわたることがほとんどであるため、金融機関からの視点では、契約者がローンを完済する際の年齢を決めることは合理的な措置と言えます。

多くの金融機関では、ローン完済時の年齢を80歳までに設定しています。

この基準に基づいて、住宅ローンの返済期間によって、借入時の年齢にも上限が設けられます。

会社員の場合、40代から定年が近づいてくるため、審査が厳しくなると言われています。

そのため、住宅購入を検討する際は、なるべく若いうちに申し込むことが良いでしょう。

健康状態

住宅ローンの申請条件の中でも、最も重要視されているものは「申込者の健康状態」です。

通常、住宅ローン契約の際には、団体信用生命保険(団信)への加入が求められます。

これにより、もしもの場合には保険金がローンの残高に充てられる仕組みがあります。

生命保険の加入には、団信を含めて、これまでに経験した病気などについての告知義務があります。

場合によっては、病気の経験があるために保険に加入できなくなることもあります。

そうなると、住宅ローンを組むことができなくなってしまいます。

担保評価

住宅ローンの返済中は、融資元の金融機関が物件の抵当権を持っています。

これは、もし返済が困難になった場合に、金融機関が物件を売却してローンの債務を回収するための保障です。

そのため、借入可能な額には、物件の資産価値も重要な要素となります。

これが「担保評価」と呼ばれるものです。

もし購入を検討している物件が中古である場合、築年数が古いほど担保評価は下がる傾向にあります。

国籍

外国籍の方が住宅ローンを申し込む場合、ほとんどの金融機関が永住権の保有を条件としています。

これは、住宅ローンの返済が長期にわたるため、外国籍の方がビザの期限切れで帰国し、返済が滞る可能性があると判断されるからです。

ただし、最近では、契約者の配偶者が日本国籍である場合に限り、住宅ローンを利用することができる制度も出てきています。

これにより、配偶者の日本国籍があれば、外国籍の方でも住宅ローンを利用することができるのです。

審査で落とされないために注意すべきポイント

審査を通過するためには、いくつかのポイントに注意しておく必要があります。

以下で詳しく解説いたします。

住宅ローン以外の借り入れ状況を把握・整理しておく

新たに住宅ローンを申し込む際、他の既存ローンやクレジットカードのリボ払いなどの返済状況にも注意しましょう。

自分の個人信用情報は、JICC(日本信用情報機構)、CIC(シー・アイ・シー:クレジットインフォーメーションセンター)、全国銀行個人信用情報センターなどから入手できますので、ブラックリストに掲載されていないか心配な方は、事前に確認しておくことをおすすめします。

複数の金融機関に手当たり次第に審査申し込みをしない

個人の信用情報には、クレジットカードの利用での支払い遅延の履歴と同様に、金融機関への融資審査の結果も含まれます。

住宅ローンの審査に合格するか心配なので、何度も申し込むことは避けましょう。

それは、融資機関から見ると信用に欠ける行為と捉えられ、審査結果に影響を与える可能性があります。

代わりに、最初に審査基準をよく確認することをおすすめします。

また、収入や資産状況などの要素に対応するために、必要なドキュメントを整えておくことも重要です。

これらの対策は、住宅ローンの審査に通る可能性を高めるために役立ちます。

事前審査と本審査の申告内容に相違がないかチェックする

審査の期間中に収入が急激に減少したり、借入額を増やしたりするなど変更がある場合、希望の条件での審査通過が困難になる可能性があります。

ですので、事前審査と本審査の申告内容はできる限り同じまま申請するのが最善です。

これは、審査を行う金融機関が申告された情報と実際の状況が一致していることを重視するためです。

もしも収入が減少した場合や借入額を増やした場合は、その変更を正確に申告し、審査結果の信頼性を確保することが重要となります。

したがって、審査中に変更が生じた場合は、速やかに金融機関に連絡し、申告内容を更新するようにすることをおすすめします。

これにより、適切な審査が行われ、変更後の状況に基づいて適切な判断が下されるでしょう。

住宅ローンの審査に落ちたらどうすればいい?

もしも住宅ローンの本審査で不合格になってしまった場合、再度申し込むことができるのは半年後からです。

半年待てば、今回の住宅ローン申し込みの情報は個人信用情報から削除されます。

半年後に再度挑戦する際には、以下のような対策を講じることをおすすめします。

金融機関を変える

金融機関は、融資の審査基準を自身で決めていますので、前回とは異なる金融機関に申し込めば、融資の審査を通過する可能性があります。

返済負担率を下げる

年収の25%以下の返済額で設定することにより、返済負担率が低くなり、審査通過の可能性が高まります。

返済負担率とは、年収に対する返済額の割合を示すものであり、一般的には多くの金融機関で35%の割合が設定されています。

頭金を増やす

頭金を増やすことで借入額を減らすことができます。

これは資金を借りる際の審査に通る可能性を高める効果もあります。

無理のない範囲で、できるだけ頭金を増やすようにしてみてください。

ペアローンの利用を検討する

もし、審査において世帯主の年収が問題となる可能性が高い場合、夫婦の収入を合算してローンの申し込みをすることも考えられます。

世帯の年収であれば、借入可能な額も増えるかもしれません。

まとめ

家を買おうと考えている方々は、住宅ローンの審査に合格するために必要な基準や、合格するためのポイントなどを十分に調べておくことが重要です。

住宅ローンはほとんどの人が利用するため、計画が中断されると人生設計にも大きな影響を及ぼします。

もし審査に落ちてしまった場合でも、以下で説明する対策を考え、再度の審査に合格できるよう努力してみてください。

まず最初に、資金計画を立てることが大切です。

住宅ローンは長期的な返済プランを持つため、現在の収入や将来の収入を考慮し、返済可能な金額や期間をしっかりと計算しておく必要があります。

これにより、審査時に財務面での信頼性を高めることができます。

また、信用情報のチェックも重要です。

審査では、個人の信用情報が確認されます。

信用情報は、支払い遅延や債務不履行などの履歴が反映されるため、良好な信用情報を保つことが重要です。

信用情報はクレジットカードやローンの返済に遅れがないように気をつけ、信用を損なわないよう努めましょう。

さらに、安定した収入と雇用履歴も考慮されます。

審査では、収入が安定していることや、長期的な雇用履歴があることが重視されます。

安定的な収入を持つことで返済能力を証明し、審査に有利に働きます。

また、長期的な雇用履歴も信頼性を示す重要な要素となりますので、転職や就職活動の際には注意が必要です。

最後に、頭金を用意することも考えてください。

審査の際、頭金があることは返済能力の証明としてプラスに働きます。

頭金を用意することで、借入額が減り返済負担を軽減できるため、審査通過に近づく可能性が高くなります。

以上のポイントを押さえ、住宅ローンの審査に挑んでみてください。

万が一審査に落ちてしまった場合でも、改善策を考えて再チャレンジすることができるでしょう。