中古住宅は、新築住宅と比較して価格が安く、多くの人々に魅力を感じられるものです。
中には、諸費用やリフォーム費用を含めてローンを利用して中古住宅を購入したいと考える方もいらっしゃるかと思います。
しかし、中古住宅を購入する場合、希望通りのローン審査結果が得られない可能性があります。
したがって、今回は、中古住宅を購入する際に、諸費用やリフォーム費用を含めたフルローンを利用できるかどうかについて詳しく解説していきたいと思います。
中古住宅を100%のフルローンで購入することはできる?
フルローンとは、自己資金を一切出さずに金融機関から全額融資を受けるローンのことです。
例えば、住宅を買う場合、頭金や手数料などの自己資金を用意せずに、全額を借り入れることが可能です。
中古住宅に関しては、フルローンを受けるのが難しいと言われています。
その理由としては、中古住宅は建物の価値がすでに減少しているため、金融機関が評価する担保額と実際の購入価格の差が生じることがあるからです。
この差が生じると、借りようとしても金額が足りず、諸費用やリフォーム費用を含めて全額を借りることができない可能性があります。
ただし、中古住宅をフルローンで購入することが全く不可能というわけではありません。
個別の条件や金融機関によって異なりますが、一部の金融機関ではフルローンを受けることができる場合があります。
ただし、審査が厳しくなる傾向にあり、信用情報や収入などの面でしっかりとした信頼性を示す必要があります。
したがって、中古住宅をフルローンで購入するには、事前に十分な準備や調査を行い、複数の金融機関の条件や審査基準を比較検討することが重要です。
また、リフォームや諸費用などの追加費用の見積もりも入念に行い、借り入れ金額を適切に計算する必要があります。
諸費用やリフォーム費用も住宅ローンで借りられる?
諸費用の試算を行いましたが、住宅ローンでは物件の購入費用やリフォーム費用も含めて借りることが可能でしょうか。
通常の住宅ローンは、新築や物件の購入費用、住宅用土地の取得費用などに利用することができますが、融資の範囲は新築や購入する物件の価値によって制限されます。
中古住宅の場合、担保価値が減っていると、諸費用やリフォーム費用までの融資は難しいかもしれません。
しかし、「住宅ローン(リフォーム資金対応)」という商品では、購入物件価格の最大130%まで借りることができますので、諸費用やリフォーム費用まで借りたい方に対応することができます。
一般的に、諸費用は物件価格の10%程度で考えられるため、物件価格の20%程度はリフォーム費用に充てることができます。
また、「リフォームローン」という商品もありますが、こちらは借入金額が500万円以下となっていますので、購入資金ではなく、リフォームのためだけに利用することがわかります。
以上のように、購入資金や諸費用、リフォーム費用を総合的に借りる場合には、物件価格以上を借りることができる商品を選ぶことが重要です。
希望通りの金額が借りられない原因は?
新築の家や中古の家を購入する際、多くの人が諸費用やリフォーム費用を含めた借り入れを希望することでしょう。
中古の住宅は新築の住宅よりも価格が安い場合が多いため、収入の面では基準を満たしているかもしれません。
しかし、収入や返済負担率(借入金額を収入に対してどれくらい負担するかの割合)などの資金的な面で問題がなくても、物件の条件には満たない可能性があります。
それでは、物件の条件を満たさない場合について詳しく説明していきます。
担保価値が購入価格より低い
金融機関は、物件の価値を査定する際には、売買事例や築年数、構造、広さなどを考慮します。
具体的には、中古マンションの場合は売買事例を参考にして評価され、戸建ての場合は築年数や構造、広さなどに基づいて算出されます。
木造戸建ての場合、築年数が10数年から20年に達すると、その物件の資産価値はゼロになります。
鉄筋コンクリート造の場合でも、やや延びる程度です。
修繕回数や費用は、担保価値の査定には考慮されません。
したがって、リフォーム済みの物件であっても、購入価格が上がることはありますが、担保価値もほぼ同じ水準で上昇するわけではありません。
また、物件の築年数は返済期間に影響を与えます。
つまり、築年数が長いと返済期間が短くなり、その結果、毎月の返済額が増える可能性があります。
したがって、希望通りの融資額や返済期間が提示されなかった場合、担保評価がその原因であることが考えられます。
旧耐震基準の物件である
建築基準法には、道路の幅や建物の耐震性などの規定が定められています。
昭和56年からは、耐震基準も法律によって導入されました。
そのため、築年数がこの時期以前の住宅であるかどうかは重要なポイントとなります。
住宅ローンの商品説明書にも、不動産は建築基準法や他の法律に合致している必要があると明記されています。
さらに、築年数が30年以上の中古物件の場合、建築基準法の耐震基準を満たしていない可能性があると考えられます。
まとめ
フルローンは、物件を購入する際に手持ちのお金を使わずに、全額をローンで購入することができる方法です。
中古住宅を購入する場合、新築に比べて価格が安くなることがありますので、フルローンでも毎月の返済が可能な場合があります。
ただし、収入や返済能力に問題はなくても、中古住宅の場合は担保評価や法令の規定に基づいてローン審査が行われます。
その結果、希望する金額を借りることができなかったり、審査が通らなかったりすることもあります。
価格が手頃でも、フルローンを利用することができない場合もありますので、そのような場合は自己資金を使うことも検討しましょう。